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2026年7月22日時点の情報に基づく

買った金額がわからない不動産を売るとき——概算取得費5%の落とし穴

不動産を売ったときの税額は「譲渡価額 −(取得費+譲渡費用)」に対してかかりますが、購入時の金額がわからない場合、取得費は原則として譲渡価額の5%(概算取得費)しか認められません。買った金額の記録が見つかるかどうかで、税額が数百万円単位で変わることがあります。

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結論: 「売却額の5%」でしか引けないと、税額はどれくらい変わるか

国税庁の例でも示されているとおり、3,000万円で売却して取得費が不明な場合、概算取得費は150万円(5%)になります。仮に譲渡費用を100万円とすると、課税譲渡所得は3,000万円−150万円−100万円=2,750万円となり、長期譲渡(20.315%)なら税額はおよそ559万円です。

もし契約書等が見つかり、実際の購入価格が仮に1,500万円だったとわかれば、課税譲渡所得は3,000万円−1,500万円−100万円=1,400万円まで下がり、税額はおよそ284万円。この例では税額差は約275万円にもなります(いずれも仮定の数字であり、実際の税額はご自身の状況によって異なります)。

まず探すべき書類リスト

  • 売買契約書(原本・コピーいずれでも)
  • 重要事項説明書
  • 住宅ローンの契約書・返済予定表・通帳の記録
  • 登記事項証明書の「乙区」(抵当権の設定額から購入価格を推認できる場合があります)
  • 新築時の分譲パンフレット・価格表
  • 固定資産税の納税通知書・課税明細(取得時期や評価額の参考情報として)

「探せば出てくるかもしれない」という方は、シミュレーターで実額と概算5%の両方を試算できます。契約書を探す手間に見合う金額かどうかを、先に把握してから探し始めることができます。

相続した物件の取得費は「亡くなった方が買った金額」を引き継ぐ

相続や贈与で取得した不動産は、取得費・取得時期ともに、亡くなった方(または贈与者)が取得したときの金額・時期をそのまま引き継ぎます。そのため「自分は買っていないから取得費は0円」ということにはならず、亡くなった方が購入した当時の資料を探す必要があります。古い物件ほど資料が残っていないことも多く、相続物件で取得費不明になるケースは少なくありません。

契約書がどうしても無い場合の選択肢

資料がまったく見つからない場合は、原則どおり譲渡価額の5%を概算取得費として計算することになります。なお、実額が5%を下回ることが判明した場合でも、概算5%を選択することができます。

市街地価格指数等の統計データを使って当時の取得費を推計する方法も存在しますが、税務上その手法の妥当性について争いがある方法とされています。この記事では一般的な情報提供の範囲を超えるため深入りしませんが、検討したい場合は税理士にご相談ください。

相続税を払った人は「取得費加算」も確認

相続税を納めた方が、一定期間内(相続開始からおおむね3年10か月以内)に相続財産を譲渡した場合、納めた相続税額の一部を取得費に加算できる特例があります。取得費が不明で悩んでいる方の多くは相続物件のケースでもあるため、あわせて確認する価値があります。空き家特例とは選択適用(併用不可)の関係です。

相続した物件の売却価格を確かめる

取得費が不明なケースの多くは相続した物件です。実額が見つかるかどうかで税額は変わりますが、いずれにしても売却価格の目安が分かっていないと、控除後の手取りは計算できません。相続物件の売却に強い買取査定で、まず価格感を確かめておくのも一つの方法です。

よくある質問

Q. 市街地価格指数を使って取得費を推計すればよいと聞きました。使えますか?

A. 市街地価格指数等を用いた取得費の推計は、税務上その方法の妥当性について争いがある手法とされています。一般的な情報としてこの記事で深入りすることは避け、実際に使えるかどうかは税理士にご確認ください。

Q. 契約書は無いですが、住宅ローンの記録なら残っています。使えますか?

A. 契約書そのものが無くても、通帳やローンの返済記録、抵当権設定登記の内容など、購入価格を推認できる資料があれば取得費の証明に使える場合があります。まずは手元の書類を洗い出すことをおすすめします。

Q. 先祖代々の土地で、そもそも購入した記録が存在しません。それでも概算5%になりますか?

A. 購入価格を証明する資料が無い場合は、原則として譲渡価額の5%を概算取得費として計算します。土地の取得時期が古い場合はこのケースに該当することが多いです。

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根拠

  • 国税庁タックスアンサー No.3258(取得費が分からないとき)
  • 国税庁タックスアンサー No.3252(取得費となるもの)

本記事は国税庁が公表する情報に基づく一般的な税制の参考情報であり、個別の税務相談・税額の確定ではありません。特例の適用可否や申告については、税務署または税理士にご確認ください。