2026年7月11日時点の情報に基づく
不動産査定の前に準備するもの——査定額が変わる書類と情報
結論から言うと、書類が手元になくても不動産の査定自体は受けられます。ただし、権利証・測量図・管理費資料・リフォーム履歴の4種類のうち手元にあるものがあれば、査定の精度に差が出ることがあります。
あると査定精度が上がる書類
以下は、査定の前に手元にあるかどうかを確認しておくと話が早い書類です。どれも「なければ査定を受けられない」というものではありません。
登記済証・登記識別情報(いわゆる権利証)
権利証は紛失しても再発行はできません。ただし代替手段があるため、紛失していても売却自体は可能です。代替手段として一般的なのは次の3つです。
- 事前通知制度(法務局から本人限定受取郵便で通知が届き、通知から2週間以内に申出をする方法。費用はかかりません)
- 司法書士等による本人確認情報の提供(売買の実務ではこちらが用いられるのが通例で、別途費用がかかります)
- 公証人による本人確認・認証
権利証を紛失している場合は、査定を依頼する段階でその旨を伝えておくと、その後の段取りがスムーズです。
測量図・境界確認に関する資料
地積測量図は法務局で誰でも取得できます。ただし、すべての土地に備え付けられているわけではありません(分筆や地積更正など、測量を伴う登記がされた土地にのみ存在します)。境界を確定させる「確定測量図」は土地家屋調査士が作成するもので、査定の時点では必須ではなく、あれば精度が上がる情報として扱われます。
管理費・修繕積立金に関する資料(マンションの場合)
マンションの場合、管理費・修繕積立金の月額は査定の前提情報になります。手元の口座振替記録や納入通知で確認できるほか、正確な金額や修繕積立金の総額は管理会社に問い合わせれば分かります(売買の際には「重要事項調査報告書」を管理会社から取得するのが通例ですが、査定の段階では月額が分かれば十分です)。
滞納がある場合は、隠さず査定時に伝えてください。管理費等の滞納は買主に引き継がれる性質のものなので(区分所有法8条)、売買時には精算する前提で話が進みます。事前に伝えておく方が、後から発覚するより取引がスムーズです。
リフォーム履歴(契約書・保証書等)
リフォームの履歴書類があると、査定額に差が出ることがあります。
査定で聞かれること
査定では、物件の基本情報(所在地・面積・間取り・築年)に加えて、居住状況(居住中か空き家か)、売却を希望する時期と理由、住宅ローンの残債、リフォームの履歴、雨漏りやシロアリなど不具合の有無、残置物の状況を聞かれます。これらは本ツールの質問項目と重なる部分が多いので、先にシミュレーターで整理しておくと査定時の説明がスムーズです。
机上査定と訪問査定の違い
机上査定(簡易査定)は、登記情報や周辺の成約事例から概算を出す方法で、依頼から数日以内に結果が出ます。現地を見ないため、室内の状態や日照・眺望などは反映されず、金額には幅があります。訪問査定は担当者が現地を確認する方法で、立ち会いは30分〜1時間程度、結果まで数日かかりますが、精度は机上査定より高くなります。使い分けはシンプルで、相場観をつかみたい段階なら机上査定、売却の意思がある程度固まったら訪問査定です。
査定額と「手取り」は別物
査定額は売却できる見込みの価格であり、そこから仲介手数料などの費用や税金を差し引いた金額が、実際に手元に残る「手取り」です。税金の概算は、シミュレーターで想定売却価格を入力すると確認できます。
相続した不動産で、査定の前段階である遺産分割・相続登記などの全体の流れがまだ整理できていない場合は、相続した不動産を売る流れもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 査定は無料ですか?
A. 無料です。不動産会社の査定は営業活動の一環として行われるため、机上査定・訪問査定とも費用はかかりません。なお、不動産鑑定士による「鑑定評価」は有料の別サービスで、査定とは目的も書式も異なります。通常の売却で必要になるのは無料の査定の方です。
Q. 複数の不動産会社に査定を依頼してもよいですか?
A. 問題ありません。複数社に査定を依頼し、金額や担当者の対応を比較して依頼先を選ぶことができます。一括査定サービスなどを利用する場合の対応方針はサービスにより異なるため、利用前に各社の案内をご確認ください。
Q. 査定額が出たら、その金額で売る義務がありますか?
A. ありません。査定は売買契約でも媒介契約でもないため、査定額で売る義務も、その会社に売却を依頼する義務も生じません。複数社の査定を受けて比較してから決めて構いません。
根拠
- 不動産登記法第23条(登記識別情報の通知・事前通知制度)
- 区分所有法第8条(管理費等の滞納承継)
- 法務局『登記識別情報に関する証明書』等の案内
本記事は国税庁が公表する情報に基づく一般的な税制の参考情報であり、個別の税務相談・税額の確定ではありません。特例の適用可否や申告については、税務署または税理士にご確認ください。