2026年7月12日時点の情報に基づく
家を売った年の確定申告——必要書類チェックリスト
不動産を売却して譲渡所得が生じた場合、譲渡した年の翌年2月16日から3月15日まで(土日祝日にあたる場合は翌平日)に確定申告が必要です。必要な書類は、誰でも共通のものと、特例を使う場合に追加でいるものに分かれます。
全員が必要な書類
提出する申告書類の中心は、確定申告書(分離課税用の申告書第三表を含む)と、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】の2つです。
これに加えて、売買契約書の写し(売却時のもの)・取得時の売買契約書の写し・譲渡費用の領収書(仲介手数料・印紙代等)は、税額計算の根拠資料として必要です。特例を使う場合は、このうち一部の添付を求められることがあります。
特例を使う場合の追加書類
使う特例によって、以下の書類が追加で必要になります。詳しい要件は各記事をご覧ください。
自宅の3,000万円特別控除
住民票の除票は、原則として不要です。マイナンバー制度により添付が廃止されているためです。かつては必要とされていましたが、現在は原則不要になっています。住民票の除票が必要になるのは、売買契約締結日の前日時点の住民票の住所と、売却した物件の所在地が異なる場合に限られ、その場合は戸籍の附票の写しなどで居住の実態を示す書類を用意します。
空き家特例
- 被相続人居住用家屋等確認書(物件所在地の市区町村長が交付するもの)
- 売買契約書の写しなど、譲渡価額が1億円以下であることを明らかにする書類
- 家屋を残したまま譲渡する場合は耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し(取り壊してから譲渡する場合は、登記事項証明書等で取り壊しの事実を明らかにする書類)
被相続人居住用家屋等確認書の交付申請に必要な書類は、市区町村によって運用が異なります。物件所在地の市区町村窓口に申請し、必要書類は各自治体の案内でご確認ください。
10年超所有の軽減税率
登記事項証明書が必要です。
なお、空き家特例・軽減税率など登記事項証明書の添付が求められる特例では、確定申告書等作成コーナーで譲渡した不動産の不動産番号等を入力すると、登記事項証明書そのものの添付を省略できます。法務局へ取りに行く前に、まずこの省略制度が使えないか確認してください。
取得時の契約書が見つからない場合
取得時の契約書がどうしても見つからない場合、取得費は原則として譲渡価額の5%(概算取得費)として計算します。詳しくは買った金額がわからない不動産を売るときをご覧ください。
自分で申告するか税理士に頼むか
特例を使わない単純な長期譲渡や、3,000万円控除だけで必要書類がすべて揃っているケースは、自分で申告するのが現実的です。確定申告書等作成コーナーは画面の案内が丁寧なため、順番に入力していけば申告書を作成できます。
一方、次のようなケースでは、税理士への相談を検討する価値があります。
- 空き家特例を使う場合——被相続人居住用家屋等確認書の取得や耐震基準の立証など、揃える書類・手続きが多いため
- 取得費が不明で、概算5%以外の道を探りたい場合——実額を立証する資料の集め方や妥当性の判断に専門知識が必要なため
- 取得費加算の特例と空き家特例のどちらを選ぶか迷う場合——両方の税額を比較したうえでの有利選択になり、変数が多いため
- 共有名義で売却する場合——共有者ごとの持分に応じた按分計算が絡むため
- 買換え特例や譲渡損失の損益通算が関係する場合——他の特例・制度との組み合わせで判断が複雑になるため
譲渡所得の申告を税理士に依頼する場合の報酬は、事務所や案件の複雑さによって幅がありますが、空き家特例のように数百万円単位で税額が変わるケースでは、報酬を払っても十分見合うことが多いといえます。
上記に当てはまり、判断に迷う場合は、早めに税理士への相談を検討することをおすすめします。
この導線は現在準備中です(税理士に相談する)。
よくある質問
Q. e-Taxで申告できますか?
A. できます。確定申告書等作成コーナーで譲渡所得の内訳書まで作成でき、登記事項証明書は不動産番号を入力すれば添付を省略できるため、e-Taxで完結できる範囲は広くなっています。
Q. 確定申告を忘れてしまった場合はどうなりますか?
A. 期限を過ぎても申告は可能です。ただし気づいた時点ですぐ申告するほど負担は軽くなります。無申告加算税は、税務署の調査を受ける前に自主的に申告すれば軽減され、法定申告期限から1か月以内の自主申告で一定の要件を満たせば課されない場合もあります。調査を受けてからの申告になると、自主申告の場合より重い税率がかかり、別途延滞税もかかります。心当たりがある場合は早めに税務署または税理士にご相談ください。
Q. 住民税はいつ、どうやって納めますか?
A. 譲渡所得にかかる住民税は、譲渡した年の翌年度に課税されます。所得税の確定申告をすれば、住民税側であらためて申告する必要はありません。納付方法は、給与所得者であれば確定申告書で徴収方法(給与から天引きするか、自分で納付するか)を選べます。自分で納付する場合は、翌年6月頃に送られてくる納付書で納めます。
根拠
- 国税庁タックスアンサー No.3102(譲渡所得の申告のしかた)
- 国税庁タックスアンサー No.3302(マイホームを売ったときの特例)添付書類の記載
- 国税庁タックスアンサー No.2024(確定申告を忘れたとき)
- 確定申告書等作成コーナー 添付書類に関する案内(登記事項証明書の省略制度)
- 租税特別措置法第31条の3・第35条第3項等(不動産番号入力による登記事項証明書の添付省略の対象条文)
本記事は国税庁が公表する情報に基づく一般的な税制の参考情報であり、個別の税務相談・税額の確定ではありません。特例の適用可否や申告については、税務署または税理士にご確認ください。